木のテーブルに並んだ、野菜料理やヨーグルトの小皿
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地中海食は、長生きの食べ方? 研究で分かっていること

体によい食べ方として、よく名前が挙がる地中海食。長生きとの関係はどこまで分かっているのかを、観察研究と比較試験の違いに注目して整理しました。

根拠 初期5分で読めます公開 2026.10.16更新 2026.10.16
RATRAT編集部
生成AIで下書きし、編集部が出典と内容を確認しました
この記事の要点
  • 地中海食に近い食べ方の人ほど、追跡中に亡くなる割合が低いことが、世界の観察研究で繰り返し報告されている
  • 比較試験では、心筋梗塞や脳卒中などが減ったと報告されているが、死亡全体の割合には差が出ていない
  • 寿命がのびるかを比較試験で確かめた研究はなく、「長生きの食べ方」とまでは言い切れない

地中海食に近い食べ方をする人ほど、追跡中に亡くなる割合が低いことが、世界の観察研究で繰り返し報告されています。ただし比較試験で分かっているのは心臓や脳の病気が減るところまでで、寿命がのびるかは確かめられていません。

地中海食は、イタリアやギリシャなど、地中海沿岸の伝統的な食べ方です。野菜・果物・豆・全粒の穀物をたっぷり食べます。油はオリーブオイルを中心にし、魚やナッツをよく食べます。肉や加工肉は控えめです。

地中海食の人は、長生きしている?

2019年に、29の追跡調査をまとめた研究が発表されました。対象は約168万人です。食事が地中海食にどれだけ近いかを点数にして比べました。点数が2点上がるごとに、亡くなる割合は10%低くなっていました。地中海沿岸に住む人では、その傾向がより強く出ていました。

米国では、健康な女性約2万5,000人を、平均約25年追った研究があります。地中海食に近い組は、遠い組より亡くなる割合が23%低くなっていました。ところが、運動や喫煙などの生活習慣の違いを差し引くと、差は11%に縮まりました。

観察研究と比較試験は、何が違う?

ここまでの研究は、どれも観察研究です。ふだんの食事をそのまま調べ、その後の健康と見比べる方法です。分かるのは「地中海食の人は長生きの傾向がある」という関連までです。

食事に気をつける人は、運動をよくしたり、たばこを吸わなかったりすることも多いでしょう。米国の研究で差が縮んだのは、こうした違いが混ざっていたことを示しています。研究では差し引く工夫をしますが、すべては取り除けません。

原因かどうかを確かめるには、比較試験が必要です。参加者をくじ引きで組に分け、片方だけ食事を変えて比べる方法です。くじ引きで分けるので、生活習慣の違いは組の間でほぼそろいます。

比較試験では、何が分かった?

最も大きいのは、スペインの「PREDIMED(プレディメッド)」という試験です。心臓や血管の病気になりやすい55〜80歳の、約7,400人が参加しました。地中海食にオリーブオイルを足す組、ナッツを足す組、脂肪を控える食事の組に分け、約5年追っています。

調べたのは、心筋梗塞・脳卒中・心臓や血管の病気による死亡をまとめた数です。地中海食の2つの組では、これが約3割少なくなっていました。ただしこの試験は、一部の施設でくじ引きが正しく行われていなかったと分かりました。論文を一度取り下げ、分析し直しています。

この試験を含む30の比較試験を評価した2019年のまとめでは、PREDIMEDで脳卒中は減っていました。一方で、死亡全体の割合には差が見られませんでした。

2022年には、すでに心臓の病気がある約1,000人を7年追った試験の結果も出ています。地中海食の組は、脂肪を控える組より、心臓や血管の病気の再発が少なくなっていました。ただし差がはっきりしたのは男性で、女性では差が見られませんでした。

効果ごとの根拠の強さ判定の基準
調べたこと根拠結果
地中海食に近い人ほど、亡くなる割合が低いか(29の調査のまとめ)根拠 初期低い傾向。点数が2点上がるごとに10%低い
健康な女性の長期の追跡(約2万5,000人・約25年)根拠 初期23%低い。生活習慣を差し引くと11%
心筋梗塞・脳卒中などが減るか(PREDIMED・約7,400人)根拠 有望約3割少なかった。くじ引きの不備で再分析
死亡全体の割合(PREDIMED、30試験のまとめで評価)根拠 有望差は出ていない
心臓の病気がある人の再発(約1,000人・7年)根拠 有望少なかった。差がはっきりしたのは男性のみ
まだ分かっていないこと地中海食で寿命がのびるかを、比較試験で確かめた研究はありません。観察研究のまとめも、著者自身が根拠の確かさを「低い」と評価しています。30の比較試験をまとめた2019年の解析は、心臓や血管の病気への効果に不確かさが残るとしています。PREDIMEDはくじ引きの不備で論文を取り下げて分析し直しており、オリーブオイルやナッツは無料で配られていました。2022年の試験は女性で差がなく、資金にはオリーブオイル関連の財団も含まれます。研究の多くは欧米で行われ、日本の食事と比べた試験はありません。

では、どうすればよいか

地中海食は、特定の食品ではなく、食べ方の全体を指します。日本の食卓でも、野菜や豆、魚を増やし、油の種類を見直すところから取り入れられます。寿命への効果はまだ確かめられていませんが、心臓や血管の病気が減ったという比較試験の結果はあります。

今日からできること
  • 野菜・果物・豆を、毎食どこかに入れる
  • 炒め物やドレッシングの油を、オリーブオイルに替えてみる
  • 肉の日の一部を魚の日にする。間食は、塩や砂糖を加えていないナッツにする
  • お酒を飲まない人は、地中海食のために飲み始める必要はない
  • 持病のある方、薬を飲んでいる方、食物アレルギーのある方は、食事を大きく変える前に医師や管理栄養士に相談する
詳しく知りたい方へ(研究の中身)
29の追跡調査のまとめ(Adv Nutr 2019)前向きコホート研究29本、167万6,901人、死亡22万1,603人。地中海食の点数が2点上がるごとに全死亡のハザード比0.90(95%信頼区間0.89〜0.91)。地中海地域で0.82、それ以外で0.92。著者は根拠の確かさを「低い」と評価。研究間のばらつきが大きい(I²=81.1%)
米国の女性の追跡研究(JAMA Netw Open 2024)Women's Health Studyの健康な女性2万5,315人(平均54.6歳、94.9%が白人)、平均24.7年、死亡3,879人。点数0〜3の組に比べ、6〜9の組のハザード比0.77。生活習慣を調整すると0.89。炎症や代謝の指標などが関連の一部を説明。資金: 米国国立衛生研究所ほか
PREDIMED(N Engl J Med 2018、再分析版)スペインの多施設試験。心血管の危険が高い55〜80歳7,447人(57%が女性)。オリーブオイル追加の地中海食、ナッツ追加の地中海食、脂肪を控える食事の3組、追跡の中央値4.8年。主要評価項目(心筋梗塞・脳卒中・心血管死)のハザード比はオリーブオイル組0.69、ナッツ組0.72。無作為割付の逸脱が判明し2013年の論文を撤回・再分析。逸脱が疑われる1,588人を除いても結果は同様。資金: スペイン保健省カルロス3世研究所ほか。登録 ISRCTN35739639
30の比較試験のまとめ(Cochrane 2019)比較試験30本・1万2,461人。PREDIMEDの評価では、心血管死(ハザード比0.81、95%信頼区間0.50〜1.32)と全死亡(1.0、0.81〜1.24)に差なし(根拠の質は低い)。脳卒中は減少(0.60、根拠の質は中程度)。血圧はわずかに低下。効果には不確かさが残ると結論
CORDIOPREV(Lancet 2022)スペインの単一施設試験。冠動脈の病気がある20〜75歳1,002人(82.5%が男性)を地中海食と低脂肪食に分け7年追跡。主要評価項目の多変量調整ハザード比0.719〜0.753で地中海食が優位。男性では0.669、女性175人では差なし。参加者は割付を知っていた。資金: オリーブオイル関連の財団、スペインの各政府、欧州連合。登録 NCT00924937
出典
  1. Soltani S, et al. Adherence to the Mediterranean Diet in Relation to All-Cause Mortality: A Systematic Review and Dose-Response Meta-Analysis of Prospective Cohort Studies. Adv Nutr. 2019. PMID 31111871
  2. Ahmad S, et al. Mediterranean Diet Adherence and Risk of All-Cause Mortality in Women. JAMA Netw Open. 2024. PMID 38819819
  3. Estruch R, et al. Primary Prevention of Cardiovascular Disease with a Mediterranean Diet Supplemented with Extra-Virgin Olive Oil or Nuts. N Engl J Med. 2018. PMID 29897866
  4. Rees K, et al. Mediterranean-style diet for the primary and secondary prevention of cardiovascular disease. Cochrane Database Syst Rev. 2019. PMID 30864165
  5. Delgado-Lista J, et al. Long-term secondary prevention of cardiovascular disease with a Mediterranean diet and a low-fat diet (CORDIOPREV): a randomised controlled trial. Lancet. 2022. PMID 35525255
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ReverseAging.Tech をつくる人

加藤順彦
代表者加藤順彦MARUICHI PTE. LTD. CEO

自らの体験をきっかけに、幹細胞点滴の魅力を広めています。100名を超える方々をご案内する中で、その可能性をますます実感しています。人生100年時代にふさわしい選択肢として、あなたの選択肢のひとつに加えていただけたら嬉しいです。

山中大介医師
監修者・医師山中大介DMTC CLINIC 院長

美容医療に携わる中で、幹細胞治療の可能性に注目しています。医師としての視点から、安心できる正しい情報を皆さんにお届けします。

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