NMNとは? 体の中での働きと、人で分かっていること
「若返りの成分」として話題のNMN。体の中で何をしていて、人の試験ではどこまで分かっているのかを整理しました。
- NMNは、体の中で「NAD+」という物質の材料になる成分
- NAD+は細胞が働くのに欠かせず、年齢とともに減っていく
- 飲むと血液中のNAD+は増えるが、若返るかどうかは人ではまだはっきりしていない
NMN(エヌエムエヌ)は、体の中で「NAD+(エヌエーディープラス)」という物質の材料になる成分です。ビタミンB3の仲間からつくられ、もともと私たちの体の中にもあります。日本ではサプリメント(食品)として売られています。
NAD+は、体の中で何をしている?
NAD+の仕事は、大きく分けて3つあります。食べ物から体を動かすエネルギーをつくるときの受け渡し役。傷ついた遺伝子(DNA)を直す仕組みの手伝い。そして、紫外線や炎症などのダメージに細胞が対応するのを助けることです。
なぜ年齢とともに減るのか
理由は2つ報告されています。ひとつは、年齢とともに体の中で炎症や遺伝子の傷が増え、それを直すためにNAD+がたくさん使われるようになること。もうひとつは、使ったNAD+を再利用する仕組みが、年齢とともに弱くなることです。
NMNを飲むと、若返るのか
NMNを飲むと血液中のNAD+が増えることは、人の試験で確かめられています。ただ、それで体が若返るかどうかは、まだはっきりしていません。
| 調べたこと | 根拠 | 結果 |
|---|---|---|
| 血液中のNAD+が増える | 根拠 有望 | 増えた(複数の比較試験) |
| 短期間の安全性(数か月まで) | 根拠 有望 | 副作用は増えていない(15試験のまとめ) |
| インスリンの効き(糖尿病の一歩手前の女性) | 根拠 初期 | よくなった(1試験・10週間) |
| 体重・血糖値・コレステロール | 根拠 有望 | 差は出ていない(15試験のまとめ) |
| 筋肉の量・握力・歩く速さ(平均60歳以上) | 根拠 有望 | 差は出ていない(比較試験のまとめ) |
では、どうすればよいか
お金をかけずにNAD+を保つ方法として、人の研究で報告されているのが運動です。5つの研究をまとめた解析では、運動を続けると、筋肉の中でNAD+をつくる酵素が増えることが報告されています。
- 「若返る」と期待しすぎず、研究の途中にある成分だと知ったうえで
- 持病がある方、薬を飲んでいる方、妊娠中・授乳中の方は、先に医師に相談を
詳しく知りたい方へ(研究の中身)
| 安全性と代謝のまとめ | 15の比較試験(1日250〜2,000mg、14日〜24週)をまとめた解析。副作用・肝臓の数値は増えず、体重・空腹時血糖・HbA1c・脂質・上の血圧に有意な差なし。下の血圧はわずかに低下(Nutrients 2026) |
|---|---|
| 筋肉への効果のまとめ | 平均60歳以上を対象にした比較試験の解析。NMNで筋肉量・握力・歩行速度に有意な差なし(J Cachexia Sarcopenia Muscle 2025) |
| インスリンの効き | 閉経後で過体重・肥満、前糖尿病の女性を対象にした10週間の二重盲検試験。筋肉でのインスリン感受性が上昇(Science 2021)。著者の一部はNMN関連の特許・ライセンス収入に関わる(論文の開示より) |
| 運動とNAD+ | 運動トレーニングで、筋肉のNAD+合成酵素(NAMPT)が増えるという5研究のまとめ(Front Public Health 2023) |
- Covarrubias AJ, et al. NAD+ metabolism and its roles in cellular processes during ageing. Nat Rev Mol Cell Biol. 2021. PMID 33353981
- Yang W, et al. Safety and Metabolism-Related Outcomes of Oral Nicotinamide Mononucleotide Supplementation in Adults. Nutrients. 2026. PMID 42514320
- Prokopidis K, et al. The Effect of Nicotinamide Mononucleotide and Riboside on Skeletal Muscle Mass and Function. J Cachexia Sarcopenia Muscle. 2025. PMID 40275690
- Yoshino M, et al. Nicotinamide mononucleotide increases muscle insulin sensitivity in prediabetic women. Science. 2021. PMID 33888596
- Sun X, et al. Exercise training upregulates intracellular nicotinamide phosphoribosyltransferase expression in humans. Front Public Health. 2023. PMID 37954044
この記事は情報提供を目的としたもので、診断や治療の代わりになるものではありません。












